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「観ること」「手で触れること」そして「体感する」という事
FDA認定校 アトリエPosy 主宰
松戸 圭子さん(岡山県倉敷市)
健康とはなんだろう?皆さんはどのように認識していらっしゃいますか?健康の定義(WHO)=「単に病気でないと言うだけで無く、身体的、精神的及び社会的にも完全に良好な状態であることをいう」と定められています。簡単に言えば病気にかかっていてもある程度の作業能力があり心身ともに回復できる力を持ち生活ができている状態。さらに簡単に言えば、どのような身体的状況にあっても、生活が出来ていて、なんらかの意思表示が出来、相手とのコミュニケーションが取れ、こころから笑うことの出来る状態であるとも考えられます。つまり、病院で治療をしているからと言って不健康とは限らないと言う事。前置きが長くなりました。
ボランティア活動は何度か経験しておりますが、今回は、神経内科のクリニックに通院していらっしゃる患者様と家族の方を対象に「花を活ける」作業を行いました。「考える」「楽しむ」自分で制作することで「達成感を得る」そして「リフレッシュ」。以上の目的から私はベース、作品の形態、作業時間、植物などを考え実践しました。また実施に当たり、見本は制作しましたが茎の切り方・挿し方、「大きい花を中央に挿すと良いでしょう」と言う事のみをお話し、全て自由に制作していただくこととし、私たちスタッフは制作する方々の側を順番に回って、患者様の作業のお手伝いをするというサポートに徹しました。また、家族の方には患者様の側で自分の作品制作だけに集中していただけるよう配慮しました。
はじめは、「このように挿してください」という手取り足取りの作業でない為か、戸惑う方もいらっしゃいましたが、側に行き思いを聞きながら助言することで次第に作品が完成に近づいてくると、
「作品全体の様子をみながら自分で花を挿す場所を探し、茎をカットしスポンジに挿す」と言う一連の動作が自然に見られるようになりました。また家族の方も、驚くほど花色の配置の仕方や花の向きに気を使いながら制作している患者様の姿を見て、改めて「こんな一面もあったのね」と言葉にする方もいらっしゃったほどです。
完成した作品は同じ素材を使って制作したとは思えない位、様々なデザインがあり、個性豊かな作品を見て院長先生もビックリしておられました。自分で考え悩
みながら制作した作品が周囲の方に評価された事で患者様も大満足だったようで、お帰りになる際には、声音・表情ともに明るい様子に変化していました。一番印象的だったことは、「久しぶりに一つのことに集中して作品を作れました。とっても楽しかった!」「花があるというのは本当にいいことですよね」と表情豊かに家族の方が私に話し掛けてくださった言葉でした。身近にたくさんの自然があるはずなのに、毎日の忙しさで「自然を観る」「植物に触れる」と言う行為さえ行えないでいることがこの一言で証明されます。
最後に一言、病室には花屋さんの花はあるけれど、雨風に耐えて咲く草花がまったく見られません。病んでいる人もそうでない人も、天気のいい日に5分でも咲いている花を見ながら日向ぼっこできる場所がある、時間が作れるということもまた大切ではないでしょうか。身近な生活の“そこに花がある”、という環境を整え、気持ちを和ませる。そしてそれらに気づけるような「こころのゆとり」を持つこと、それが一番大切であると私は思います。
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