「Lilly花くらぶ」は、パーキンソン病患者さんやご家族の方にフラワーアレンジメントを体験していただくプログラムです。フラワーアレンジメントを通して、患者さんの生活の質(QOL)が向上することを願いながら、このプログラムはスタートしました。去年のクリスマスに初めて開催し、このたびフラワーデコレーター協会さんの協力を得て、来年の前半までに全国約40ヵ所で行うことが可能となりました。
パーキンソン病は、残念ながら現在のところ、完全に治すことができない病気です。しかし、この病気は、適切な治療や病気との付き合い方によって、より快適な生活ができるようになります。病気と上手く付き合うためには、趣味などを見つけ、なるべく外に出て生活を楽しむことが大切です。それが、薬の治療とは別に必要な、リハビリテーションにもつながります。しかし、手足がふるえ、動くこともスムーズに出来ない患者さんにとって、新しい趣味を始めたり、外出することは容易ではありません。
そんな中「新しい趣味を見つけ、外に出るきっかけをつくるお手伝いがしたい」という想いから、始めたのが「Lilly花くらぶ」でした。主に50歳以降に発症するパーキンソン病の患者さんには高齢者の方が多く、フラワーアレンジメントは、若い人向きのような気がして、なかなか始める機会がなかったもののひとつだったようです。しかし、目新しいものだからこそ、始める意欲や興味を持っていただき、毎回、みなさんがアレンジを完成させ、笑顔と共にご自分の作品を持ち帰ってくださっています。そこには、患者さんだけでなく、付き添いで来られたご家族の喜ぶ姿もあります。
パーキンソン病は慢性の病気です。長い期間、共に生きていかなければなりません。それは、患者さんだけでなく、ご家族も一緒です。この企画によって教えられたことは、フラワーアレンジメントを待ってくださっていたのは、患者さんより、むしろご家族の方だったのかもしれないということです。薬の治療や病院でのリハビリは、孤独な作業です。周りの方が助けたくても、出来ないというお話をよくお聞きします。そんな中、「Lilly花くらぶ」に参加した患者さんやご家族から「これは、明るく楽しいリハビリになります。これからも続けていきますね」という感想を寄せてくれます。フラワーアレンジメントに出会って、新しいリハビリの形、癒しの方法を見いだしてくださった方は、多いのではないでしょうか。
そうであれば、この企画の担当者としてこんなにうれしいことはありません。この企画が継続的に、また全国的に開催できるのも、フラワーデコレーター協会さんのおかげです。この場をお借りして、簡単ではありますが、感謝申し上げたいと思います。ご協力ありがとうございました。またこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。 |